練習では試合のように、試合では練習のように

選手には全力を尽くすことを常に要求します。練習でも、試合でも。
試合に勝たなくていいと言ったことはありませんし、負けていい試合なんてあると思っていません。


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自分の性格は、超負けず嫌いで勝ちに貪欲。
ブラジルにいたときに観た試合、小学生の試合であっても、削り合いのファイト。
勝ちに拘ること、全力を尽くして目の前の勝負に勝つことはとても大切だと思っています。
技術を言い訳に、負けていい勝負なんてないと思っています。
ただ、勝ちに拘るのは育成年代の指導者でなく、選手だと考えます。

そもそも、育成年代の指導者が、目先の勝負で一喜一憂してる暇なんてなく。
いつ勝つか、どう勝つか、何が勝ちなのか。
子ども達には今の勝ちより価値を、プロセスを重視させたいわけで。
ここが育成年代指導者の難しいとこで、面白いとこでもあります。
頭と身体フル回転の練習で、考えることを習慣化させ、判断力を磨いています。
勝手に育って、勝手に上手くなる環境を創り上げるのが理想。
選手を成長させてなんぼ。勝ちは後から付いてくる。

例えば、一発勝負の公式戦。
負ければ即終了、選手達は少しの緊張と、勝ちたいと逸る気持ちもあるでしょう。
それでも今、自分達がやっていることにプライド持っていつも通りやれと言い続けます。
練習では試合のように、試合では練習のように。
いつも通り、自分達のプレーをやり切ること。
ピッチは選手達自身が情報を取り、判断をし、経験を積み重ねる場。
もちろんベンチから答えを叫んで教えることもしません。
勝ちたいからと焦って近道を探さなくていい、失敗や負けることは恐れなくていいんです。

県内の優勝チーム、強いけど上手くないなんてことも少なくありません。
でも試合結果だけ見れば強豪チーム、どんな上手い選手を育てているんだろうと憧れますよね。
小学生年代でも、親御さんが勝てるチームを求めて子どもを移籍させる、なんて話もたまに耳にします。

ぶっちゃけこの年代、試合に勝たせることを第一目標にしてしまえば、どんなに楽か。
子ども達に何も考えさせずに手間をかけずに、ミスをしないようリスクを冒さないように、決まりごとを設けて表面的な知恵をつけてボールを運ばせれば済むんです。
もっと言えば、指導者がチームを勝たせることで、選手に技術が身についていないことを、結果で誤魔化せるとさえ思います。
ただ、育成年代をそうやって過ごしてきた選手達は、年代があがった次のステージ、更にまた次のステージ、高いレベルでは通用しません。
個に力がついていなければ、小・中学生年代のチームの勝利など、何の役にも立ちません。

以下、元日本代表、戸田和幸さんのFacebookより

→残念ながらまたしてもアンダー世代の世界大会への道が閉ざされました。
U20に至ってはこれで4大会連続でのアジア予選敗退。
これをどう捉えるかでまた今後の育成年代の強化方針が変わるかもしれません。
日本サッカーは、僕より少し前の先輩達の時代から育成年代においてまず世界に挑戦し始めました。
そこから飛躍的に日本サッカーはレベルアップしていくことになります。
その選手達が中心となり各年代の世界大会を経験しA代表に繋げていった結果がW杯出場・予選グループ突破だったのです。
島国の日本という国にとってはアジアを突破しなくては「世界」を知る機会はなかなか手にすることが出来ない。
日本サッカーが、ここまで駆け上がってきた道筋を振り返ると育成年代がいかに重要かは一目瞭然です。
4大会連続は決して偶然ではありません。
ブラジル戦でいきなり「世界」を知るのではもう遅いんです。

個人的な意見ははっきりと持っていますが、一つだけ言えるのは8月にU19代表の試合を見た時にあくまでグループとして上手く形が作れた時はボールは繋がりますがそれぞれ個人として目の前の相手、その時は韓国でしたが対峙した時に攻守において解決策を持つ選手がほとんど見当たりませんでした。
あくまで「グループ」としてプレイする時だけ良く見えました。
その時は南野や関根はいませんでしたが彼らの中に単独で打開「しようとする」選手もいませんでした。

その試合を見た時に選手の選び方なのかもしれませんがこれはアジア予選難しくなるだろうなとは思ったのは事実です。
『今や少年サッカーの現場ですら「早くボールを離せ」となっているのが現実です。
選手に判断を委ねるのではなく。
早くボールを離すのは「いくらでもボールを離さずに持てるようになる」事の後に出てくる事だと思います。
ボールを持てて相手ゴールに向かうことができるからこそ早く離す事が生きてくるはずです。
そんなシンプルなところに今一度戻る必要性は感じています。』

どのみちトップの高いレベルでのせめぎ合いになればゲームスピードやプレッシャーの強さにより早くボールを動かす必要に迫られます。
が、よく考えてもらいたいのはでは世界のトップで闘う選手達、個人としてどのくらいのスキルを持った上で早い判断でのサッカーをしているのかと。
そこにヒントがあると個人的には思います。

以上。

2014-03-19 00.14.55-1

サッカーは騙し合いのスポーツ。
日々の積み重ねで技術を身に付け、駆け引きやしたたかさを学びます。
ボールコントロールだけでなく、判断やメンタルも技術。
如何に技術で相手を上回れるか。
本気で世界を目指すなら、まずは根っこを伸ばすこと。
失敗や挫折は、成功のほんの過程。

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コメント

  1. コード より:

    勝手に育って、勝手に上手くなる環境を創り上げるのが理想
    まさに自分と近い考えを持っている方がいらっしゃることにとてもうれしくなりました。
    これは、指導者にとって達成すべき課題ですね。
    10年前、私が大学院生のときに、ある中学校から依頼があり、サッカーを指導したときのことを思い出しました。
    その時、先輩と二人で指導していましたが、よく話していたことが、まさにこのことでした。
    テーマ:いかに教えずに指導するか。
    サッカーの面白さって何かと言われたら、その当時、今ある課題を抽出し、解決策を立て、課題に取り組み、練習や試合で実行する。出し切る。
    当然、うまくいくこと、いかないこといろいろあります。うれしいときも悔しいときもありますが、その繰り返しや、新たな発見、人の意見に触れることが楽しかった。
    これがあれば、今後どんなことでも、どんな局面でもやっていけるなって思いました。
    その当時、中学生にサッカーを教えていて思ったこと、一番思ったのが、サッカー指導者って意外といないのだなということでした。
    試合前の練習で他校の練習をみていると、何を目的とした練習なのかわからない練習や、レベルに合っていない練習が散見され、そこでサッカーをやっている子供たちがかわいそうに思いました。
    サッカー裾野は、意外と狭く、受け売りの指導が横行している状況に非常に残念な思いがしました。サッカーの一番面白いところが、子供たちに伝わってないじゃんて。悔しい思いでした。
    指導は、一言で言うと常に問うことで行っていました。
    子供たちに、なぜをぶつけ続けました。
    そして、子供たちのなぜという問いについて答え続けました。
    その、なぜという問いがいつしか自分自身に向き、その解決のために自分で考える、意見を言える。
    そうすると、とかくコミュニケーションが不足しがちな中学生であっても、親と話したり、自分の意見を言ったりするようになり、親御さんがこちらに相談を持ちかけたりと、非常にいい循環となり、とても勉強になりました。
    サッカーで人は変えられるし、成長できる。地域活性化だってできる。
    地域を救えるのは地域で育ったひとですもんね。あなたのように
    やっていることが形になっていて尊敬します。

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