ブラジルサンパウロFC
ブラジルの下部組織の基本的な考え方は素晴らしい選手を作り、人間形成することが目的。
選手育成の最終目標は、20歳。
指導法として、ポジショニングの指導はしてもシステムにはめこむことはしない。
大会のタイトルを取ることは、重要じゃない。
下部組織は、選手が基礎技術を徹底的に身につけるために、サッカー選手を育成するためにのみ、存在する。
あくまで選手の自主性を重んじている。この年代では勝つことにこだわったり、型にはめたりする必要は全くない。
ポジショニングの練習は良くするが、役割の固定はしない。
自分のポジションの中で、最大限の力を出させるようにする。自由を与えるということは、同時に自分で状況を打開しなければならないことだと考えている。
監督のやり方を選手にさせるのではなく、選手のプレーを引き出すことが目的である。
インターハイ決勝を、会場で観戦した。
グラウンドもぼこぼこだし仕方が無いのだろうけど、それでもやっぱり個人的に残念だったのは、ボールが常に浮いてること。いわゆるロングボールゲーム。
ボールが浮いてる時間がとにかく長い。蹴り合いになってる。残念。
U15クラブユース真っ只中、実際、こちらもほぼ蹴り合い。
試合に勝つことだけが目的のようになっていて、とにかく勝つことに必死になっていて、
とても育成年代の試合とは思えない試合内容もある現状。
試し合いになっていない。余裕が全くない。
システマチックにやることが決まってるチーム。
そういうスタイルのチームだから、と言ってしまえばそれまでかもしれないけど、次にやることがみえてて、リスクは冒さない。
ある意味、よく躾けられてるとでもいうのか、選手もその通りに動いて、予想を裏切ることがない。
自分で情報をとるとか、状況判断するとか、考えるとか、選択するとか、決断するとか、大事なプロセスを飛ばして、選手をまるでチームの歯車の一部としてプレーさせてるように感じる。
これ、このやり方、確かに勝てるかもしれないし、負けないかもしれないけど。
選手を育成することより、チームを勝たすことが目的になっているのでは?
育成年代の選手に対してプロの指導者が、それをやっちゃう、やらせちゃうってどうなんだろう?
サッカーに正解はないけど疑問に感じる。
という自分も今A級の次の課題である、『自陣に引き込んでからのカウンター攻撃の改善』で頭がいっぱいなわけですが・・・(笑)
『練習時間の90パーセント以上、ボールに触っているもん。ヨソみたくワンタッチのパス練習なんかやらない。普通3対3のボールポゼッションだったらワンタッチとかツータッチでやれというけど、オレは違う。そこでのワンタッチパスはいらない。同じ3対3でも、ドリブルしてDFを抜いてからパスを出せと。そうすると自然とボールタッチが増えて、テクニックも身につく。ワンタッチというのはボールを触る時間が1秒にもならないだろう。オレの発想だと小さいときからそれをやっていたら上手くならない。
今の日本は小学生からパスサッカーだろ。みんなパス、パス、パス。ボールつなぐ練習しかやっていない。確かにそれはそれで強くなるんだよ。だけどワールドカップでゴール前に入って、とんでもないドリブルをしたり、イマジネーション溢れるというか見ている人の度肝を抜いたりするようなプレーは絶対に生まれてこない」。』・・井田勝通100万回触れより抜粋
指導者の仕事は、選手の可能性を伸ばすこと。
勝つのは今じゃない。結果は慌てて出すもんじゃない。
チームとしての結果が出たら?それはたまたま、そんなこともある程度で。
目的を見失わないこと。今は成長段階、個を育てること。
ボールを渡さないように、相手の裏をかき、主導権を握って、臨機応変に。
常に自分のプレーができるように、武器を持たせ、磨く。
勝つためにプレーを限定させない。決め事満載のチームにしない。
選手にはユース年代以上で活躍してほしい。
選ばれたり選ばれなかったり、勝ったり負けたり、試合に出たり出なかったり、そんなことは重要じゃない。
それで一喜一憂するのは周り(親や友達)だけで充分。
選手はそんなことしてる場合じゃない。
一瞬落ち込んだとしても、喜んだとしても、その次。
前を向いて進むしかない。次のためにどうすればいいか考えるしかない。
逃げるのは誰でもできるし、いつでもできる。
壁にぶつかるのは真剣にやっている証、遊び半分ならこうはならない。
うまくいかなくて当たり前、楽しいことだけあるわけじゃない。
失敗して、悩んで、苦しんで、もがいて、挫折して、悔しい思いをして。
その後に、その先に、どう考え、どう捉え、どう行動にうつすか。
修正して、工夫して、努力して、立ち直り、乗り越えて、自信に換える。
頭で考えてるだけじゃ、何も変わらない。勇気をもって行動すること。
OBの活躍、まさとも以外もみんな頑張ってるはず。
うまくいかなくて苦しんでいる選手もいるだろうけど、その悩んだりもがいたりの苦しい経験には意味がある。
必ず自分の将来の肥やしになるはず。どれも成長するために必要な出来事ばかり。
意識高い仲間と過ごす有意義な3年間、いかに人間力を磨けるか。
周囲の手助けがあって、仲間との繋がりがあって、親の応援があることに感謝の気持ちを持つこと。
社会に出た時に評価されるのは、学歴じゃなく人間力。
周り以下か、同じだけのことしかやらずに、結果が出せるとでも?
満足してる場合じゃない。うまいだけじゃ、全然足りない。
相手にとって、いやらしくて、厄介で、恐くて、一時も目が離せない選手に。
味方にとって、絶大なる信頼を置ける、人を惹きつけてやまない選手に。
今うまくいったとしても上には上がいる。もっと、上を目指せ。