子どもの喧嘩、衝突、言い争い。
サッカーでミス=失敗でないのと同様に、子ども同士のトラブル=いけないことではありません。
失敗、言い争い、衝突、喧嘩があるからこそ、子ども達はそういう経験を積んでこそ、他者との関わり方を学んで成長すると思っています。
■サッカーはいろんな子がいるコミュニケーションの場
チームにはおとなしい子もいれば、口が立つ子も、がさつな子も、やんちゃな子もいます。
つまらない喧嘩なんて本当に山ほどあって、楽しい時間でも子ども達はちょっとしたことで衝突しますし、直後に一緒に大笑いして遊んでるとかもザラで、ゴメンと謝ったり謝られたり、喧嘩の数だけ仲直りもあります。
自分もはるか遠い昔に通ってきた道ですね。
■サッカーは子どもの経験と学びの場
子ども同士の喧嘩やトラブルはとても大切な学べる時間です。
頭ごなしに喧嘩はダメ!ということはしません。
ただその時間、サッカーはできません。
サッカーをしに来た他の選手の迷惑になりますからやるなら外で。
練習が終わってから、双方と周りの子の話も聞いてから話をします。
度がすぎる場合にはもちろん間に入ります。
■子どもの喧嘩に親が出る
ろくに話を聞きもせず、どうせあなたが悪いんでしょう?という決めつけもよくありませんし、嫌な思いをしたなら、話を聞いて受け止めてあげることはとても大切です。
可愛い我が子の言い分を100%親が信じてあげないでどうするんだ!という考え方も一つです。
それでも、勘違いや思い込みはあるかもしれません。
『うちの子が一方的にいじめられた。』
『うちの子は被害者、可哀想。』
親が子どもの言い分を鵜呑みにして、大騒ぎするケースがあります。
我が子に言い分があるように、他者にも言い分があって、その時の状況はどうだったのか、それも聞いてみないことには、という余裕を持ちたいものです。
■親に嘘は通じないと思わせること
双方の言い分を聞いて、100%相手だけが悪い状況だと思えることは本当に稀です。
親に味方についてもらおうと、自分が怒られないようにと、自分を正当化しようと、子どもは、自分の都合のいい事だけを伝えたり、細かい嘘を散りばめたりすることがあります。(大人もありますね)
当たり前のように嘘やごまかしが通用してしまえば、味を占めて平気で嘘をつく子になります。
『自分は何もしていないのに、●●くんが、●●ちゃんが。』
よくよく聞けば、本人がズルをしていた、なんてことも。
普段から親は子どもの嘘を見抜いて、親に嘘は通じないと思わせておくこと、可哀想を勘違いすることなく、話を冷静に聞いて見極めることが必要です。
■子どもは小さな大人じゃない
まだまだ自分の思いをうまく言葉で伝えられない子ども達、失敗から学ぶことがほとんどです。
時には手が出たり足が出たり、嫌な思いをしたりさせられたり。
親として、子どもにはいつも笑っていてほしい気持ちはわかりますが、そういう経験を経てこそ子どもは大人になっていくもの。
一生懸命やるからこその衝突もあって、チームワークを育むためには、子どもながらのトラブルが不可欠。
そこを周りの大人が我慢できるかどうか。
親が介入していい場面、悪い場面。
指導者が、大人が介入した方がいい場面、待ったほうがいい場面、見守ったほうがいい場面。
サッカーは一人で出来るものでなく、楽しいことだけあるわけではありませんし、過剰に反応して、道端の石ころを危険だからと先回りして除けても、子どもが成長することはありません。
誰とも関わりを持たさず、家にずっと閉じ込めて一生親が面倒を見てやれるのならそれでもいいかもですが。
大人になっても仕事に就いても、一生他者との関わりを持って生活することに変わりはありません。
子ども達には、ちゃんと人間関係もいろんな経験をして、いろんな出来事を乗り越えて、本当のチームワークを理解して、社会に出たときに必要とされる人間に成長して欲しいと思います。