サッカーの上達に必要なものとは?
これは多くのスポーツに共通して言えることかもしれませんが、いまの日本サッカーにおける最大の問題は子供の時から「勝たせるためのサッカー」をやらせていることだと思います。
一人ひとりに十分な技術が備わっていないため、技を使わせず細かいパスで繋げていくサッカーをやらせる。
確かにいま目の前の試合には勝てるかもしれませんが、
これでは世界に通用するようなテクニックを身につけることはできないと思います。
井田勝通氏 (致知随想2010より)
さて、本題。
「リフティングができないのはこの靴のせいだ!このボールのせいだ!」
と泣き喚く小学1年生がいました。
うまくいかないことの八つ当たり、できないことの言い訳。笑
サッカーだけでなく、全ての考え方に繋がります。
さあ、ここからどんな成長を見せてくれるのか、楽しみです。
どんな練習をしているんですか?と聞かれることがあります。
基本はリフティングやドリブル、ボールをコントロールすることに多くの時間を割きます。
力のある選手を『集める』のではなく、クラブに入ってから次のカテゴリーに送り出すまでの『個の伸び率』を大切にしています。
小学生年代では?中学生年代では?
どちらも基本は同じ、顔を上げてストレスなくボールを扱えるようにトレーニングしています。
サッカーは、相手に奪われないようにボールを運んで、ゴールを奪う競技。
駆け引きや意表をつく仕掛けで、自分に有利な状況を作ります。
タイミングをずらし、逆をとる。パスとみせかけての突破や、その逆も。
そのためには、次のイメージ、個人の技術と発想の柔軟さがとても重要です。時間がかかります。
それをやらずしてボールを止めることだとか、蹴ることだとかを先に教えられても、
まずはボールが持てなければ何もできないと、自分は思っています。
例えば試合中、ボールを持つことに必死な選手は、相手や周りを見る余裕などありません。
慌ててしまい、プレーの選択肢も少なくて、とりあえずのドリブルやパスなどは、ミスに繋がることが多いようです。
しかし、そんな選手のいるチームほど、ベンチの監督から、罵詈雑言が飛ぶことも多いのです。
自分の思う通りにならないことへのあせりか不満か、ピッチの選手を萎縮させるような言葉で罵り、
あげくの果てには、審判の判定にまで文句を言い始める。
練習でやっていないこと、できていないことが、試合でできるわけもありません。
そもそも指導者なら、その選手は何ができて何ができないのか知っているはずですし、
自分の指導力不足を選手や審判のせいにして、大声で喚く姿は、先の小学生と重なりますね。
JFAのハンドブック めざせ!ベストサポーター から読み直したほうがいいんじゃないかと思います。
石川県は他県に比べ、選手の技術レベルが低く、サッカー後進県だと呼ばれています。
実際、数少ない県内出身のプロ選手は、技術系ではなく、元々の能力が高い選手。
なぜか?
環境、とひとくくりにしてしまうのは簡単ですが、原因は選手にあるのではなく、指導者側にあると考えています。
『育成できないのに、育成年代に張り付いている指導者』では、選手のレベルは上げられない。
『小学生、中学生年代での勝利至上主義』では、個人の技術は伸ばせない。
このまま、指導者が何もせず、意識を変えないままなら、選手が変わる訳がありません。
人間性と技術を兼ね備えた、どこへ出しても恥ずかしくない息の長い選手を本気で輩出したいのなら、
いつまでも自分の古い知識や経験に頼っていないで、とことん他県の成功例から学んで、実践すればいい。
偶然できたおいしそうなリンゴの実を1個、取ってしまうのは簡単。
どうやって、地中に根を深く伸ばして、幹を太くし、枝を張らせて、数年後にたわわな実をつけさせるか。
それこそが育成年代の指導者の醍醐味。
選手の能力の高い低いに関わらず、全員の持っている能力を最大に引き上げるために。
失敗させて、考えさせて、判断させて、成長させる。
あの手この手で五感を刺激し、人としての幅を広げ、深みをもたせる。
目の前の試合に勝たせることより、個のレベルを引き上げてなんぼ。
指導者の意識を変えて、選手のレベルを上げ、
選手のレベルを上げて、石川のサッカーのレベルを上げ、
石川のサッカーレベルを上げて、日本のサッカーのレベルを上げる。
日本が世界ランキングトップ10に入ることも夢ではありません。
そう思っています。
さて、来週からのサッカー指導者A級ライセンス受講に向けて、準備中。
たくさんの宿題を頂いていますが、まったく手つかず・・。今日から追い込みかけます!!
どんな発見と繋がりができるか、今からワクワクしています。
せっかく与えられたチャンス、走り込んで身体をつくって、単に資格を取るだけでは終わらせられません。
日本サッカー協会、表のルートを改めて確認したい。
考え方ややり方、今後どんな取り組みをしようとしているかを知ることが重要だと思っています。
実際、JFAこころのプロジェクト夢先生始め、素晴らしい取り組みがたくさんあります。
それでも、トレセン制度、特に地域トレセンなど末端に行けば行くほど、
どうなの?本当これで大丈夫なの?という現状。
選手のレベルを上げられない、指導力があるわけじゃない指導者。
抜本的に改革できたら、と個人的に思っています。
『彼を知り己を知れば百戦して殆うからず』
相手を知って、加速する。そんなイメージでいます。
リオペードラの指導方針や練習内容は、日本サッカー協会の書かれているマニュアル通りではなく、
いろんなルートがある中の一つで、裏ルートだと思っています。
何が正解かはやってみなけりゃわからないし、今後も、裏から表に行くつもりはありません。
ただ、ルートは違っても目指すゴールは同じ。
未来を夢見て行動するのみ!