レギュラーに選ばれたら頑張れる、選ばれなかったから頑張れない、そんな考え方を持つのは子どもだけではありません。
我が子が選ばれたら応援するけど、選ばれなかったら応援できない、極端な話、選ばれないんじゃやる意味がないとサッカー自体を辞めさせてしまう親御さんもいたりします。
我が子の活躍する姿を楽しみにしていた気持ちはわかりますが、サッカーに限った事でなく、周囲の大人の関わり方が、そのまま子どもに大きな影響を及ぼすことがあります。
■周囲の人間の影響
『今出来ることを精一杯やろう。挑戦してみよう。』と自分から積極的に行動する大人。
『誰かのせいで、やる気が出ない。どうせ自分には無理。』と行動を起こそうとしない大人。
大切な我が子には、どんな大人になってほしいですか?
子どもをポジティブにするのもネガティブにするのも、周囲の大人の関わり方次第。
思い通りにならないことやうまくいかないことを環境や人のせいにする習慣がついてしまえば、その思考から抜け出すのは難しいものです。
■マイナス思考は伝染する
『試合に出られなければ意味がない。お前が選ばれなかったのはおかしい。あのコーチは分かっていない』
ただ一度、選ばれなかったからと諦めさせてしまったり、大事な我が子を一方的に否定されたような気分になって、子どもの前でコーチのやり方を否定したり、兄弟と比較して優劣を決め付けて(お兄ちゃんor弟は 選ばれたのに)扱いに差をつけてしまったりすることは、やる気を奪うことになり非常にマイナスです。
■プラスの声掛けをする
ガックリと落ち込んでいるのは本人です。
なかなかその気持ちから抜け出せないようであれば、周囲の大人がしてやれることは一つしかありません。
大人が、可哀想にと扱えば、子どもは自分を可哀想だと認識しますが、こんなのは全く気にしなくていい、全く問題のないことだという態度で前向きな言葉を掛ければ、子どもの受け止め方は変わります。
レギュラーだからいいとか、悪いとかのものさしじゃなく、まずは周囲の大人がそういう考え方ができるように。
主役はあくまでもサッカーをやっている本人であって、親は、一度や二度の失敗ではめげずにサッカーを続けている我が子を誇りに思って成長を見守るしかないと思います。
■過剰に期待しないこと
たまたま一度レギュラーに選ばれたからといって、次も選ばれるとは限りませんし、今選ばれなかったから、次も選ばれないとは限りません。
レギュラーになったから自分は偉い、上手いと勘違いし始める選手もいます。
過剰に期待する親御さんもいるかもしれません。
熱心に努力を積み重ねているなら技術が身につき、周りの信頼を得ることにも繋がります。
指導者もチームの仲間もちゃんと見ています。
追い越したり追い越されたり、いくらでも逆転のある環境です。
■自分の力を信じられる前向きな人間に
一生懸命やっていても、なかなか思い通りの結果が手に入らないことはサッカーに限らず、大人になって社会に出てからもよくあることです。
楽して手に入るものなんてたかが知れてます。
今のうちにそういう中で学んだことが、いつか必ず本人に返ってきます。
自分に足りないものを、努力で補おうと真剣にやってきたことが、その後の自分の考え方にいい影響を与えてくれると思っています。
選手には、置かれた状況に負けない強い気持ちを持ってほしいと願っています。